『人間力だより』Vol.035

 日本の活性化の基盤作りについて シリーズ第四弾 「プロダクトミックス的事業創出のポイント(2)」

こんにちは、ライブウェア代表の古田です。

原発事故の基本的原因もいまだに明確にならず、従って対処方法も皆が安心し て納得出来る迄にはいたりそうもありません。

さらに大震災後の復興計画の基本方向もいまだに検討中との事で、日本の国民 の大多数がそろそろ不安感を強く感じでいるようです。

そもそもこの大震災が起こる前から、今後の日本の国のありかた、即ち活性化 の為の基本的方向性が問われていたわけであり、各公共も企業も今後の打開策 作りにもがいていたのが実体です。

従ってこの大震災を一つの発想の転換時として活かしきれるかどうかは、自分 のことしか考えないでやれ不信任案だのとごたごたしている議員連中から成り 立っている現在、もう全て国待ちでは無く企業が各々自分の裁量で自分の特性 をとことん活かしきれる新しい方向性を出して取り組んで行けるかどうかに日 本の将来がかかっていると思います。


この方向性作りに於ける重点ポイントとして前回まで「プロダクトミックス 的事業創出計画の進め方」をお話し、その第一回目として「社会への役立ちを 考えた思想を前提として事業創出に取り組んで成功した例」を紹介してまいり ました。
そこで今回からは前回紹介した様な思想で、如何に事業創出計画をし成功させ るかをお話ししたいと思います。


「プロダクトミックス的事業創出のポイント(2)」


そもそも計画と云うものはどこまで考え、どんな範囲で取り組むかも大切です が、真の成功は計画を実施定着迄もってゆける取り組み方であり、結局「本気 度」の問題であるとおもいます。
しかし我々は常に何ごとを行うにも一生懸命に事に当たってはいますが、実は 案外計画自体を疎かにして居ないでしょうか。
「何を計画すればよいのか」少し考えてみる必要があると思います。



先日私は或るOB会に出席した時90歳の先輩から以下の様なお話しを聞きまし た。

「皆さんは色々な趣味を楽しんでおられる様だが、私は色々な事をたくさん  これまで行なって来たが、これと言って今深く楽しむ趣味と言った物が無い。
 その事を今になって気が付き非常に悔いている」


これを聞きながら私は、この先輩には素晴らしい人間力と人間としての年輪を 感じ、常に私が最も尊敬するお一人であるはずの方からのお話でしたので一寸 考えせられるところが有りました。


同じように今は元気な企業で、将来を考えてかあれこれ幅広く手を出していま すが、結局大きくものになりそうな事業が見つからない企業が如何に多くある 事でしょうか。

これが今日本の主要企業と言われる個々の企業の悩みであり、日本の大きな沈 滞要因であると考えずにはおれません。

そこで私は人間の生き方と計画の問題として、何千年前から言われてる先晢の 言葉にある「人生の五計」を思い出しました。
この中の第四の「老計」の大切さを改めて感じ、この辺を疎かにしているのは 我々人間だけでなく、今の多数の日本の国家、企業にも言える事ではないかと 思うのです。

人生の五計をここで簡単に紹介したいと思います。


<人生の五計>

第一「生計」
 我々人間としていかに生くべきかであり、本質的な大きな「生きかた」  のことである

第二「身計」
 いかに身を立てるか、即ち社会生活のし方ありかたのことである

第三「家計」
 家庭をいかに営み、常に維持してゆくかである

第四「老計」
 我々は否が応でも年をとり老いてゆき、永遠の青春はありえない。

※人間はいかに年をとるか、この問題に対しては世間一般の人はほとんど何も 考えていません。
考えていても、せいぜい蓄財をするとか健康を維持するこ とぐらいです。
これについては儒教の中では思索、學問を諸博深遠に説き伝 えています。

第五「死計」
 我いかに死すべきかの問題である。

※これに対しては儒教独特の意味がありますが、これに対する思索の最も発達 し具体的なものは仏教ではないかと言われています。




しかし我々人間と企業にはおおきな違いがあります。
企業の場合「死計」は必要がないことです。企業は命の差し替えができること です。
即ち「人」の若返り、入れ替えによって命を永遠に続かせることができるわけ です。

そこで常にこの命の若返る仕組みとは人の入れ替えと、事業自体の若返り入れ 替えができることで企業自体が常に青春が保たれる事です。


企業に於いては第一の「生計」から第三の「家計」にあたるまではどこでもき ち んと行って現在の活性化をさせているわけですが、第四の「老計」となれば案 外疎かにされている場合が多いのです。
即ち今の事業が活性化している時点での、次の時代を担う事業のグランドデザ インを計画してその基礎つくりをおこなうことであります。

それともう一つの「命」である常に人の若返るが行われるための動きが行われ ているかどうかであり、人事制度、教育制度等は、実はこのための仕組みつく りのことであることを真に理解すべきであると思います。


この、「『人の若返り』『差し替え』が必要なときは何時でも的確にできる仕 組みを如何に作るか。」について我々ライブウェアは今まで訴え続けて来まし た。
その基礎の基礎となるのが社員一人ひとりを次の世帯の「命」と成っていただ くための「人間力」の把握とその活用方法が必要ですが、我が社ではそのため の仕掛け作りを色々紹介してまいりました。

今回企業を常に活性化、若返らせるために一番大切なことは人間に例えれば、 「老計」でありそれはプロダクトミックス的将来の事業創造計画であり、それ が 永遠に継続するための人づくりが行われる仕組みであることを訴えておきます。

その為に確実に進める為には、一番大切なことは今の顧客なり技術なりその他 の「経営資産の把握」と「命を繋ぐ社員一人ひとりの力」を論理的に正しく把 握することからはじめること。
それが「老計」づくりではもっとも大切なので す。

ガリレオ ガリレイは
「測定できるものはすべて測定せよ、測定できないものは測定できるようにせ よ」
と言っている様に、真の成功は現在の力を正しくとことん把握して基礎情報と して何事も出発することであり。これは大昔からの基本のようです。



ライブウェア株式会社
代表取締役
古田貞幸




人間力を可視化する
【トライアングル・アセスメント】


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【MPIシステム】


何を学ぶべきかナビゲートする
【ラーニング・ナビゲーション】


組織の活性化を推進する
【組織活性化力診断オークス】