人間力だより Vol.02
〜【分担責任】と【機能責任】について〜
こんにちは、ライブウェア代表の古田です。
先日キッシンジャー博士(※)が来日され、 「目覚めよ!日本人」というテーマでテレビにご出演されていました。
※)国際情勢通の外交専門家で元米国国務長官、ノーベル平和賞受賞
その中で、興味深いこんなくだりがありましたのでご紹介いたします。
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「私の孫はパソコンを上手に活用して情報を引き出すことにおいては私より数段優れている。しかし、その情報が長い目で見た場合 どのように必要であり如何に活かせるかとなると私の方が優れている」
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インターネットの普及により、情報を得ることは誰にでも可能になったが、 それを知識化し、更に見識化するとなると、一朝一夕にはいかないということ をお話されたのだと思います。
情報を如何に活かすか、これは『人間力』における重要なファクターの ひとつでありますが、身につけるためには経験とそれなりの教育と訓練が 必要なものです。
★『人間力』については創刊号もご参照ください↓
そしてもうひとつ、こんなお話もされていました。
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「日本人の社会は世界でも珍しい特性をもっている。欧米と比較すると、常に(物事を)決定するスピードにおいては遅い。 それは決定するまで組織内の思想の統一等に時間をかける為であるが、その後の計画及び実施スピードは常に素晴らしい。」
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少し皮肉めいて聞こえるかもしれませんが、 組織を形成しそこに存在する人々の責任の考え方、すなわち組織体制の 思想上の違い(日本の優れた特性)を見事に指摘されていると感じました。
我々ライブウェアでは、この日本の優れた特性について、 欧米型の【分担責任】体制と日本型の【機能責任】体制の違い ということで説明してきました。
そこで、今回はこの【分担責任】体制と【機能責任】体制について、 少しお話させていただきたいと思います。
〜 欧米型の【分担責任】と日本型の【機能責任】について 〜
組織の中の仕事は常に他の機能、他人の協力によって成り立っています。 すなわち、自分に与えられた「機能(仕事)」を果たすためには、 他の人や機能の働きが必要になるわけです。
他の人や機能の働きが必要となる事自体には違いがないわけですが、 その組織の中での自己責任の考え方に、欧米型の【分担責任】体制と 日本型の『機能責任』体制という基本的違いが見られます。
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◆◇【分担責任】◇◆
責任とは職務文掌規定で決められている分業、分担業務の遂行責任である。
≪例≫ 「納期が間に合わなかったのは、○○部署の□△部品が出来なかったためであり、 全責任は○○部署の△×さんにある。
したがって、その様なことがおこらないために各機能毎の詳細なマニュアルがあり、 それを守ることが責任である。」
すなわち【分担責任】とは、組織の中で「何をし、そこで各自が出来るアウトプットは何をどの程度か」を明確にした個人の責任をいう。
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◆◇【機能責任】◇◆
責任とは会社が本来その部署・個人に対して期待しているであろう機能を 遂行する責任である。
≪例≫
「納期とは最終的に取りまとめをする時点のことであり、 その取りまとめをする機能を与えられた所の責任である。
したがって、その責任ある所はあらゆる手を打って遅れが無いようにするのが責任である。
すなわち【機能責任】とは、組織の中で仕事を行うにあたって「機能を明確にし、その機能を完全に果たす」為に個人に与えられている 責任をいう。
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とりわけ【機能責任】体制においては、与えられた機能(責任)を果たすため に障害となるあらゆることに対応しなくてはなりません。 すなわち「想定外」のことへの対応も織り込まれており、 これらをすべてマニュアル化することは不可能であり、実際そういった場面 ではほとんど意味をなしません。 つまり、どんな場面でも人間力を発揮して対応できるようにしておくことが 大切だと言うことです。 (念のため付け加えておきますが、詳細なマニュアルを作ることが不可能なの であって作業を標準化することは大切なことです。)
考えてみますと、トヨタが開発したJITシステム、日本の自動車メーカーが サイマルと称して開発し米国から再輸入されたコンカレントエンジニアリング 及びサプライチェン・マネージメント等は全て基本は日本で開発され成功した ものであり、機能責任的考え方がベースとなっています。
博士が言われた事前準備が出来た後の『日本の社会のスピード構造の中身・ ロジック』が、我々が常日頃唱えてきた【機能責任】体制の事であり、 海外の識者もこの辺の重要性を認めておられると、改めて確信した次第です。
総人件費の圧縮による経営の合理化はもはや限界にきており、これから国際競 争力を維持するため今日本の企業に求められている課題は【機能責任】体制に おける「人的生産性」の大幅向上にほかなりません。
ライブウェア社は日本人、日本的組織の特性を活かした「人的生産性」向上の 為の情報を今後も継続的に発信してまいる所存です。
ライブウェア株式会社
代表取締役
古田貞幸
先日キッシンジャー博士(※)が来日され、 「目覚めよ!日本人」というテーマでテレビにご出演されていました。
※)国際情勢通の外交専門家で元米国国務長官、ノーベル平和賞受賞
その中で、興味深いこんなくだりがありましたのでご紹介いたします。
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「私の孫はパソコンを上手に活用して情報を引き出すことにおいては私より数段優れている。しかし、その情報が長い目で見た場合 どのように必要であり如何に活かせるかとなると私の方が優れている」
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インターネットの普及により、情報を得ることは誰にでも可能になったが、 それを知識化し、更に見識化するとなると、一朝一夕にはいかないということ をお話されたのだと思います。
情報を如何に活かすか、これは『人間力』における重要なファクターの ひとつでありますが、身につけるためには経験とそれなりの教育と訓練が 必要なものです。
★『人間力』については創刊号もご参照ください↓
そしてもうひとつ、こんなお話もされていました。
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「日本人の社会は世界でも珍しい特性をもっている。欧米と比較すると、常に(物事を)決定するスピードにおいては遅い。 それは決定するまで組織内の思想の統一等に時間をかける為であるが、その後の計画及び実施スピードは常に素晴らしい。」
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少し皮肉めいて聞こえるかもしれませんが、 組織を形成しそこに存在する人々の責任の考え方、すなわち組織体制の 思想上の違い(日本の優れた特性)を見事に指摘されていると感じました。
我々ライブウェアでは、この日本の優れた特性について、 欧米型の【分担責任】体制と日本型の【機能責任】体制の違い ということで説明してきました。
そこで、今回はこの【分担責任】体制と【機能責任】体制について、 少しお話させていただきたいと思います。
〜 欧米型の【分担責任】と日本型の【機能責任】について 〜
組織の中の仕事は常に他の機能、他人の協力によって成り立っています。 すなわち、自分に与えられた「機能(仕事)」を果たすためには、 他の人や機能の働きが必要になるわけです。
他の人や機能の働きが必要となる事自体には違いがないわけですが、 その組織の中での自己責任の考え方に、欧米型の【分担責任】体制と 日本型の『機能責任』体制という基本的違いが見られます。
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◆◇【分担責任】◇◆
責任とは職務文掌規定で決められている分業、分担業務の遂行責任である。
≪例≫ 「納期が間に合わなかったのは、○○部署の□△部品が出来なかったためであり、 全責任は○○部署の△×さんにある。
したがって、その様なことがおこらないために各機能毎の詳細なマニュアルがあり、 それを守ることが責任である。」
すなわち【分担責任】とは、組織の中で「何をし、そこで各自が出来るアウトプットは何をどの程度か」を明確にした個人の責任をいう。
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◆◇【機能責任】◇◆
責任とは会社が本来その部署・個人に対して期待しているであろう機能を 遂行する責任である。
≪例≫
「納期とは最終的に取りまとめをする時点のことであり、 その取りまとめをする機能を与えられた所の責任である。
したがって、その責任ある所はあらゆる手を打って遅れが無いようにするのが責任である。
すなわち【機能責任】とは、組織の中で仕事を行うにあたって「機能を明確にし、その機能を完全に果たす」為に個人に与えられている 責任をいう。
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とりわけ【機能責任】体制においては、与えられた機能(責任)を果たすため に障害となるあらゆることに対応しなくてはなりません。 すなわち「想定外」のことへの対応も織り込まれており、 これらをすべてマニュアル化することは不可能であり、実際そういった場面 ではほとんど意味をなしません。 つまり、どんな場面でも人間力を発揮して対応できるようにしておくことが 大切だと言うことです。 (念のため付け加えておきますが、詳細なマニュアルを作ることが不可能なの であって作業を標準化することは大切なことです。)
考えてみますと、トヨタが開発したJITシステム、日本の自動車メーカーが サイマルと称して開発し米国から再輸入されたコンカレントエンジニアリング 及びサプライチェン・マネージメント等は全て基本は日本で開発され成功した ものであり、機能責任的考え方がベースとなっています。
博士が言われた事前準備が出来た後の『日本の社会のスピード構造の中身・ ロジック』が、我々が常日頃唱えてきた【機能責任】体制の事であり、 海外の識者もこの辺の重要性を認めておられると、改めて確信した次第です。
総人件費の圧縮による経営の合理化はもはや限界にきており、これから国際競 争力を維持するため今日本の企業に求められている課題は【機能責任】体制に おける「人的生産性」の大幅向上にほかなりません。
ライブウェア社は日本人、日本的組織の特性を活かした「人的生産性」向上の 為の情報を今後も継続的に発信してまいる所存です。
ライブウェア株式会社
代表取締役
古田貞幸