人間力だより Vol.04

 〜人材教育に必要な2つの視点〜
こんにちは、ライブウェア代表の古田です。


明治二十五年十一月三十日の時事新報(福沢諭吉主幹)の社説に 以下のようなことが書かれてありました。


「政治上の失策は影響が大きいが、それに気づいて改めれば鏡面を拭うと同じで痕跡は残らない。 しかし、教育の場合は、阿片のように全身に毒がまわって表面にあらわれるまで歳月を要し、回復にはさらに幾多の歳月を要する。」


この社説を私なりに、企業に例えて置き換えるとこんな感じであろうか。


「企業の戦略上の失策は即業績に影響するが、それに気付き改めれば短期的業績の回復は可能である。 しかし、企業における『人間力』の低下(教育の不足)は業績上に現れる迄は歳月を要し、これを回復する為には大変なパワーと歳月が 必要となり、その為の体力がなければ企業の存続さえも危ぶまれる。」


安倍内閣が発足以来、ようやく国家の基本課題である「教育基本法」の改正に 取り組み出したわけですが、ごく最近ではこの大切な教育の基本問題も吹っ飛 んでしまい、社会保険庁の年金問題、介護保険の不正問題と言った政治問題が 大きく取り上げられ、国民の多くの関心もそちらに誘導されてしまっているよ うに思えます。

もし今福沢諭吉先生が居られたならば、「国家の基本である『教育』の問題と、 社会保険のような『政治』の課題とをしっかり峻別して両者解決してくれよ」 と言われた事と思う。

ここらへんは企業においても、目先の数字や戦略に捕らわれ、 教育がおろそかになっている実態が多く見受けられます。



〜人材育成に必要な2通りの視点とは〜

さて、ここで『教育』という問題に焦点を当てて考えてみます。 「教育基本法」検討の内容を拝見しますと、ゆとり教育や教師の質、 いじめ問題といった、「学校教育で人づくりを如何にすべきか」が主なものに なっている様に感じます。

学校教育はもちろん重要ですが、親、祖父母を含めた家庭教育、 地域社会における大人・友達との交流、といった学校教育以外の環境に 基づいた人間力形成が本来の検討課題ではないだろうか、と考えていました。


私は常々、企業の「社員教育」についても、大きく分けると2通りあると考え ています。


 1.『事業対応型』人材育成 (学校教育型)
 ・・・経営計画、事業計画にマッチする人材構成を形造る為の育成
 2.組織人としての『人間力づくり』 (人間力形成型)
 ・・・個々の人材の能力と適性を活かして有能な組織人を育成する活動


いままでのコンサルティング活動の中では、常にこの2種類の社員教育を 峻別して、同時並行して進める仕組み作りを重視してきました。

これを行う為にはトップ層の強い意志と信念が何よりも必要となります。 しかし多くの企業では、本来切り分けて考えるべきこの2種類の教育を ごっちゃに考えてしまい、どちらかと言えば1つ目の『事業対応型』の 社員教育に集中してしまいがちの様です。


◆『事業対応型』人材育成について******************************************

「事業構造計画」「事業特性」「経営方針」「事業規模計画」

等にマッチさせた形で、どんな社員構成にしてゆくかを計画し、推進しようと するものですから『人間力づくり』とは別の視点で考えなければなりません。 特に現在の様にスピーディに環境変化に対応することを求められる時代には 尚更であります。
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◆『人間力づくり』について***********************************************

人材育成における基本的問題であり、今後もっとも重点的に考えなければならない事項であり、最終的には
 「能力評価・業績評価」「目標管理」「自己啓発」「教育計画」

等の人事諸制度の中に盛り込み、実施しなければならない事項であります。 この事項がまさに、福沢諭吉先生が唱えられた教育の部分であり、 企業としても「急がば回れ」的に重点課題としてとりあげるべきであると思い ます。

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この様な2つの狙いをもって社員の育成を図るために必要な考え方を 当社では『人材構造計画』と呼んでいます。

少なくとも3年先の「経営の在り方」を睨んだ中長期計画として、 それに必要と思われる人材の構成を見極め、教育及び諸施策を行うために 必要不可欠なものです。


最後に『人材構造計画』作成の手順をご紹介いたしますので、 ご興味のある方はご覧ください。





ライブウェア株式会社
代表取締役
古田貞幸

人間力を可視化する
【トライアングル・アセスメント】


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【MPIシステム】


何を学ぶべきかナビゲートする
【ラーニング・ナビゲーション】


組織の活性化を推進する
【組織活性化力診断オークス】