人間力だより Vol.14

 〜『人間力』の回復は「自分を知ること」から〜
こんにちは、ライブウェア代表の古田です。


先日、ある大手企業の会長との話の中でこんな話がありました。


「最近、会社の色々な部門の部屋を回ってみて感じたことですが、昔のよう に人の話し声がほとんど聞こえてこない。全員がパソコンに向い画面を眺め ている、それぞれが何の仕事をしているのかも分からない。

聞くところによれば同じ室内で、極端な話隣同士でメールのやりとりで会話 のようなことをしていると言うじゃありませんか。

これで本当に人間関係が出来、個人個人が「徳の厚い」人間作り(人間力作 り)が出来るだろうかと、将来の人間社会のありかたに常々疑問と危機感を 感じ心配しています。」


これは私もかなり前から感じていたことですが、確かにインターネットやネッ ト通信、はたまた各種データベース等から色々な情報を簡単に引き出せるよう になっていることからも分かるように、仕事自体があまりにも組織化、機械化 してしまったのではないでしょうか。

そのため、もう個々人が組織、機械の一部品化してしまって、人間としての独 立性とか人間力の内容がほとんどゼロになりつつあるのではないかとすら感じ ます。

特に、日本でいま先進企業と言われているようなところの企業人の場合に、こ んな現象が顕著になっているようです。



〜自動化、機械化に慣れすぎてしまった日本の企業人〜

今から何年か前、日本の一流と言われている企業の数人の幹部とヨーロッパの 企業を訪問した時の事です。

その中の一つ、世界でも有数の超高級車を製造する企業の開発部門では、日本 でも昔はそのように行っていたのですが、製図版に向かって仕事をしている人 が多くおりました。
またもう一つの企業は世界に2社しかないジャンボジェット機のエンジンを製 造する会社でしたが、その製造現場で、現場合わせ作業(現場での細かい調整) を作業員が頭をひねりながら行っておりました。

このような仕事に対して、「日本ならばコンピューターで立ちどころに出来る のだが」等といった、軽蔑とも言える発言をする人が多くおりました。

私はその時、これは量産化、人間の一部品化に慣れきってしまっている日本企 業の人々の言葉であるが、常に付加価値と進化を自分の頭で考えながら仕事を 進めている人々との大きなギャップなのかなと感じた次第です。


最近日本のある企業のトップが、開発、設計部門に対してパソコン禁止令を出 したと言う話を聞きました。これは極端な一例かも知れませんが、やはり私と 同様に本当に「自ら自分の思想を活かす事を第一にさせる」為には、この様な 手段も必要と考える経営者もおられる様です。



〜蓄積された過去を自分のものにすることで、未来を創造する力が生まれる〜

基本的に考えれば、我々の今ある現在は全て無限の過去の蓄積であり、したが って現在は過去の終わりであると同時に、一方未来の始まりでもあるわけです。

その無限に人類が蓄積してきた過去を色々な形のコミュニケーションの手段 (時には本、文献、インターネットなどから)によって、人は幅広い過去を得て、 しっかり自分のものとすることによってはじめて、将来の世界を自ら創造する 力が生まれてくるわけです。

昔から、このことを確実に行うことがいわゆる「徳が厚い」人になる、即ち 「人間力」がつくと言われており、この他人の得た過去を、本当に自分のもの として身につける手段の重要な一つが昨今の機械化によって失いかけている事 を、冒頭に紹介した会長やパソコン禁止令を出された経営者は心配されていた のではないかと思います。

その重要な手段の一つとは、人間の魂と魂が触れ合って、火花を散らす様な会 話をし、理解し合い、いたわり合う事からはじめて深く真の過去が読める行動 のことです。



〜得た知識や技術を活用するには、まず「人間力」〜

ここ何十年、特に最近はパソコン、携帯電話さらにインターネット等のソフト 等の普及による物質的、機械的手段によって人は膨大な量の情報を得られるよ うになりました。その反面、人というもの、個人というものの中身の部分、す なわち我々が常々唱えている「人間力」を得る力が衰え、だんだん自己という ものが失われて行きつつあります。
こうなってしまうと大量生産の物品の様な人間は沢山出来ますが、本当の意味 での人物はますます少なくなってしまいます。

「人間力」の高い人間でなければ、未来に向けた新しい知識・技術を応用した 本当に質の高い仕事は不可能であり、この事実を出来るだけ早く気づき自己確 立に注力して頂きたいと思います。
しかし、現在の様な情報の洪水の中、便利さと言う怠け癖の誘惑の中では単な る機械的知識技術を得ることに没してしまい、自分が人間として自己を維持し て行くためには、よほどの警戒と努力が必要となります。



〜自分を把握することが、人間力回復の第一歩〜

自分が人間として自己を維持して行くためには、先ず「自分というものをいか に把握するか」そして「自分という人間をいかに正しくするか」という自己つ くりを徹底することが大事だと思います。

しかし、自分のことを自分で正しく把握すると言うことはなかなか難しいこと であり、この分野の追求に生命を賭して打ち込まれた先達も沢山おられます。 この追求は決して単に知識を得る、外の出来事を追う、名を売る・利益を得る ためということではなかったはずです。
自分の本質、自分の強みを発揮するためには、自分自身と向き合い、真の自分 をいかに正しく把握するかにかかってくるのです。

とかく人間は、いろいろな欲望もあり、外部からの刺激も多いため、常に自分 に返る事が出来ず、ともすれば自分を忘れて世俗の波に飲み込まれてしまう場 合も多いでしょう。
しかし、大切な事は先ず自分が自分に返り、これが本当の生きると言うことで あることを自覚し、そのために先ず「真の自分を正しく知る」事から始めるこ とであり、これが人間回復のきっかけであり、スタートであると思うのです。



我がライブウェア社では2000年の創業時から、真の企業活性化、組織活性化及 び社員個々人の活性化のためには、もちろん新しい知識・技術も必要ですが、 それを応用し活かすための力、すなわち「人間力」の確立が先ず必要であるこ とを訴え続けて参りました。

ただ訴えることは誰でも出来ます。一番大切なことはいかにしてその「人間力」 の確立を進めるかであり、それは今回の表題に出ている通り、それを実現する ためにまず行ったことは、各個々人の「自己の人間力」を如何に把握するかの 追及でした。

その結果開発されたのが【トライアングル・アセスメント】という商品であり、 すでに数多くの企業で組織・社員の活性化、社員の育成、プロジェクトチーム 編成や社員の異動及び新卒・中途採用等幅広い場面で活用して頂いていること は、「人間力」の重要性に気づかれ、手を打つ企業が増えているということで あり、それは喜ばしいことと思っております。



ライブウェア株式会社
代表取締役
古田貞幸

人間力を可視化する
【トライアングル・アセスメント】


最適な「場と教育」を提供する
【MPIシステム】


何を学ぶべきかナビゲートする
【ラーニング・ナビゲーション】


組織の活性化を推進する
【組織活性化力診断オークス】