人間力だより Vol.18
〜『晴耕雨読』〜
こんにちは、ライブウェア代表の古田です。
古からある言葉で、表題にもあります『晴耕雨読』とは、「晴れの時は外でせ っせと田を耕し、雨のときは内にあって読書にふける」と言うことであります。
今、日本の企業を取り巻く経済環境は、単なる雨降りではなく、何十年に一度 の台風が上陸するかどうかの状態にある様です。
世界的株価の大乱高下、金融機関の破綻寸前迄の不信だけでなく、それが一般 の企業から我々消費者まで及ぶ等、1929年に端を発した世界大恐慌に匹敵する とも言われる経済混乱に対して、資本主義を提唱している主要国と言われる各 国が投入の方法の違いはありますが、各国が何十兆円というお金を投入して鎮 静化しようとしています。
1930年代の世界大恐慌の時は金本位制度であったために、現在の様に「紙」の 紙幣で何十兆円規模というお金を簡単に投入することが出来ず、結局日本の満 州事変など、大国全体が参加した第二次世界大戦という不幸な時代に突入して しまったわけです。
ところで、今回の世界協調の政府保証の大型金銭投入で、景気回復が出来るだ ろうか、と疑問視する声も多く聞かれます。
一世紀に渡って、世界経済を引っ張ってきた米国のビジネスモデル自体が問題 視され、今後実態経済の回復までは、かなりの時間がかかることは必至である という意見も聞かれます。
この様に、世の中が「不況だ、不況だ」と騒げば騒ぐほど、私はかつてお付き 合いをしておりました、ある偉大な経営者の言葉と、常に不況時取られた対応 を思い出します。
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「雨の時は社内の宝を掘れ」と、言われました。
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経済情勢は天候と同じである。
晴れのときもあれば、曇りや雨のときもある。
晴れているときは、心軽やかに、仕事に取り組めるものであるが、雨になると、どうも動きが鈍くなる。
しかし、雨の時は雨の仕事があると考えよ。
すなわち、我々企業人も晴れのときは、せっせと「外の宝」を堀り、雨降りのときは「内の宝」を掘ればよいわけである。
「内の宝を掘る」とは、景気が良いときに外との対応で忙しくて出来なかった 「基本的なパワー」を蓄えることである。
例えばコストダウンの基礎作り活動、組織活性化活動、及び科学的管理手法の導入等、 宝堀りの道具づくり」にはこと欠かない。
しかしなんといっても一番やらなければならないことは、社員の育成、特に『人間力づくり』 に時間をかける絶好のチャンスである。
経営とは一つのエンジニアリング(工学)と考えており、「合理性」を貫いていくことであり、 この「合理性」を地道にやっていくこと以外には道がないと思うからです。
もっとも「合理性」というと、非常にドライな、また非常に冷やかな感じがするが、ほんとうの「合理性」 というものは「人間尊重の経営」というつもりで行うことである。
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人間自体には、人間性を尊重した自律の原理がある。
我々の身体も自分では意識しなくても、自律神経があり、それが昼でも夜でも、 例え自分が寝ていても適当に健康を保持してくれています。
経営の場合も同じように社員各々、細かな組織各々が自律の原則を貫いていく ことが、ほんとうの「合理性」ではないでしょうか。
そのためには、「人間性を尊重し、自主的に納得と満足感をもって、進んで経 営に参加出来るようにしていく環境」と「人づくり」をすべきであり、今の雨 降りの時が絶好のチャンスであると思われます。
ここで言う「環境づくり」のためには、まず「組織」と「そこに存在する人」 が活性化するための基本条件が出来ているかどうかの確認から入る必要があり ます。
すなわち、まず組織の活性化を構成する「仕組み」「運営・管理」「人間力」 の三つの要素のレベルを正確に把握して、下記に挙げる様に「問題」・「課題」 を明らかにすることが重要になります。
**********************************************************************
□組織毎の「仕組み」上の問題把握・・・各種取り決め等が活性化出来る仕組みとなっているか
□運用・管理上の問題把握・・・きちんとモチベーティブな運用がなされているかどうか
□人間力の把握・・・各々の組織構成員の人間力(能力・ポテンシャル)は充分かどうか
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以上の様に「組織」、「人材」の質的面のデータベース作りから着実に行い、 レベルアップの為の行動を起します。
これが真の「経営資産づくり」であり、古の言葉でいう「雨読」そのものでは ないかと思います。
(*活性化した結果、どの様になるかは、2007年 4月の『人間力だよりVo.02』 で取り上げました「機能責任」の考え方に通じると思います。)
しかし不況の風が吹き出しますと、経費節減で真っ先に教育・育成の経費削減 をとりあげたり、営業活動に時間を振り向けて「ガンバレ、ガンバレ」とハッ パをかけて乗り切ろうとする経営者も少なくない様です。
ハッパをかける方の身に成れば、経営を乗り切る為に止むに止まれず行ってい る事は分らないでもないです。
しかし、雨降りの時は経済事態が縮小しているため晴れの時の活動の何倍のパ ワーを掛けても成果が出ません。
従って更にハッパをかけると、かけられた方は効率が悪くなっていることを自 覚するため、うんざりしてモチベートダウンが起こり、組織全体的な悪循環に 陥ってしまいます。
私は、この様な企業を数多く見てきました。
大切なことは、常日頃から多少の経営的余裕を持ち「晴耕雨読」の切り替えが、 いつでも出来る経営を常に心がけて居られる人こそ、真の経営者ではないかと 常日頃考えています。
ライブウェア株式会社
代表取締役
古田貞幸
古からある言葉で、表題にもあります『晴耕雨読』とは、「晴れの時は外でせ っせと田を耕し、雨のときは内にあって読書にふける」と言うことであります。
今、日本の企業を取り巻く経済環境は、単なる雨降りではなく、何十年に一度 の台風が上陸するかどうかの状態にある様です。
世界的株価の大乱高下、金融機関の破綻寸前迄の不信だけでなく、それが一般 の企業から我々消費者まで及ぶ等、1929年に端を発した世界大恐慌に匹敵する とも言われる経済混乱に対して、資本主義を提唱している主要国と言われる各 国が投入の方法の違いはありますが、各国が何十兆円というお金を投入して鎮 静化しようとしています。
1930年代の世界大恐慌の時は金本位制度であったために、現在の様に「紙」の 紙幣で何十兆円規模というお金を簡単に投入することが出来ず、結局日本の満 州事変など、大国全体が参加した第二次世界大戦という不幸な時代に突入して しまったわけです。
ところで、今回の世界協調の政府保証の大型金銭投入で、景気回復が出来るだ ろうか、と疑問視する声も多く聞かれます。
一世紀に渡って、世界経済を引っ張ってきた米国のビジネスモデル自体が問題 視され、今後実態経済の回復までは、かなりの時間がかかることは必至である という意見も聞かれます。
この様に、世の中が「不況だ、不況だ」と騒げば騒ぐほど、私はかつてお付き 合いをしておりました、ある偉大な経営者の言葉と、常に不況時取られた対応 を思い出します。
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「雨の時は社内の宝を掘れ」と、言われました。
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経済情勢は天候と同じである。
晴れのときもあれば、曇りや雨のときもある。
晴れているときは、心軽やかに、仕事に取り組めるものであるが、雨になると、どうも動きが鈍くなる。
しかし、雨の時は雨の仕事があると考えよ。
すなわち、我々企業人も晴れのときは、せっせと「外の宝」を堀り、雨降りのときは「内の宝」を掘ればよいわけである。
「内の宝を掘る」とは、景気が良いときに外との対応で忙しくて出来なかった 「基本的なパワー」を蓄えることである。
例えばコストダウンの基礎作り活動、組織活性化活動、及び科学的管理手法の導入等、 宝堀りの道具づくり」にはこと欠かない。
しかしなんといっても一番やらなければならないことは、社員の育成、特に『人間力づくり』 に時間をかける絶好のチャンスである。
経営とは一つのエンジニアリング(工学)と考えており、「合理性」を貫いていくことであり、 この「合理性」を地道にやっていくこと以外には道がないと思うからです。
もっとも「合理性」というと、非常にドライな、また非常に冷やかな感じがするが、ほんとうの「合理性」 というものは「人間尊重の経営」というつもりで行うことである。
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人間自体には、人間性を尊重した自律の原理がある。
我々の身体も自分では意識しなくても、自律神経があり、それが昼でも夜でも、 例え自分が寝ていても適当に健康を保持してくれています。
経営の場合も同じように社員各々、細かな組織各々が自律の原則を貫いていく ことが、ほんとうの「合理性」ではないでしょうか。
そのためには、「人間性を尊重し、自主的に納得と満足感をもって、進んで経 営に参加出来るようにしていく環境」と「人づくり」をすべきであり、今の雨 降りの時が絶好のチャンスであると思われます。
ここで言う「環境づくり」のためには、まず「組織」と「そこに存在する人」 が活性化するための基本条件が出来ているかどうかの確認から入る必要があり ます。
すなわち、まず組織の活性化を構成する「仕組み」「運営・管理」「人間力」 の三つの要素のレベルを正確に把握して、下記に挙げる様に「問題」・「課題」 を明らかにすることが重要になります。
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□組織毎の「仕組み」上の問題把握・・・各種取り決め等が活性化出来る仕組みとなっているか
□運用・管理上の問題把握・・・きちんとモチベーティブな運用がなされているかどうか
□人間力の把握・・・各々の組織構成員の人間力(能力・ポテンシャル)は充分かどうか
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以上の様に「組織」、「人材」の質的面のデータベース作りから着実に行い、 レベルアップの為の行動を起します。
これが真の「経営資産づくり」であり、古の言葉でいう「雨読」そのものでは ないかと思います。
(*活性化した結果、どの様になるかは、2007年 4月の『人間力だよりVo.02』 で取り上げました「機能責任」の考え方に通じると思います。)
しかし不況の風が吹き出しますと、経費節減で真っ先に教育・育成の経費削減 をとりあげたり、営業活動に時間を振り向けて「ガンバレ、ガンバレ」とハッ パをかけて乗り切ろうとする経営者も少なくない様です。
ハッパをかける方の身に成れば、経営を乗り切る為に止むに止まれず行ってい る事は分らないでもないです。
しかし、雨降りの時は経済事態が縮小しているため晴れの時の活動の何倍のパ ワーを掛けても成果が出ません。
従って更にハッパをかけると、かけられた方は効率が悪くなっていることを自 覚するため、うんざりしてモチベートダウンが起こり、組織全体的な悪循環に 陥ってしまいます。
私は、この様な企業を数多く見てきました。
大切なことは、常日頃から多少の経営的余裕を持ち「晴耕雨読」の切り替えが、 いつでも出来る経営を常に心がけて居られる人こそ、真の経営者ではないかと 常日頃考えています。
ライブウェア株式会社
代表取締役
古田貞幸